依田芳乃、君は結局どこ出身なんだ?
古都舞踊音楽の鶴見甘草です。皆さんアイドルマスターはご存じですか?そうです。あの頭がPになった怪人とかが出てくる漫画のやつです。そのアイドルマスターの登場人物の一人に、「依田芳乃(よりた・よしの)」というアイドルがいるのですが、今日は彼女についていろいろ根掘り葉掘りしていきたいと思います。
https://dic.pixiv.net/a/%E4%BE%9D%E7%94%B0%E8%8A%B3%E4%B9%83
これが彼女のプロフィール。可愛いですね。開くのが億劫な諸兄のために主な部分を引用すると、
年齢:16歳
身長:151㎝
体重:40㎏
誕生日:7月3日
出身地:鹿児島
趣味:悩み事解決・石ころ集め・失せ物探し
こんな感じです。体重軽いですね。ですが今回注目していきたいのは出身地です。この鹿児島県という出身地、ストーリー内で離島であることが明言されているのですが、どこの島かというところまではさすがに言及されていません。じゃあ俺が調べてやろうじゃねえか。というわけで今回はゲーム内の様々な情報からよしのんの出身地を特定していきたいと思います。
もちろん全部キモ・オタクの幻想ですよ。これから書くことはバ■ナムとは一切関係ありませんし、彼らもそこまでの設定は考えてはいないでしょう。
前情報
ファンの間で割と広く知られた出身地の情報として、
・子供が少なく、同年代の友達はあまりいなかった
・生活圏にコンビニはなく、島を出て初めて目にした
・祖母が祈祷師であり、島にいた時代は手伝いなどもしていた
といったものがあげられます。一番下はともかく、上ふたつでかなり絞り込むことはできそうですね。鹿児島県には28の有人離島がありますが、ここはバッサリと人口500人以上は切り捨ててしまいましょう。500かける若年人口比率11.6%(2024年10月)で58人。ここからさらに同世代に限定し、離島部の高齢化を加味すると十分「少ない」範疇に収まるはずです。
人口500人以下の鹿児島県の離島は以下の通り:
・桂島(12人)、出水市
・中甑島(186人)、出水市
・新島(2人)、鹿児島市
・馬毛島(2人)、西之表市
・口永良部島(93人)、屋久島町
・竹島(72人)、三島村
・硫黄島(139人)、三島村
・黒島(194人)、三島村
・口之島(103人)、十島村
・中之島(146人)、十島村
・諏訪之瀬島(78人)、十島村
・平島(107人)、十島村
・悪石島(90人)、十島村
・小宝島(69人)、十島村
・宝島(147人)、十島村
・請島(77人)、瀬戸内町
・与路島(70人)、瀬戸内町
(公益財団法人日本離島センター「島々の日本」より引用。2020年国勢調査あるいは2023年8月31日時点の住民基本台帳に準拠)
だいぶ減りました。ここからさらに絞り込んでいきましょう。次はコンビニの有無です。コンビニといっても、全国チェーンのコンビニは上記すべての島に存在していません。人口が少ないんだから当然です。というわけで今回は商店の有無で考えていきましょう。上記の島々の中で商店の存在しない島は、桂島、中甑島、新島、馬毛島、黒島、諏訪之瀬島、平島、小宝島、与路島の九つ。ですが中甑島に関しては橋でつながっている上甑島と下甑島にお店がたくさんあるので除外します。また、鹿児島市の新島と西之表市の馬毛島に関しても、前者はカフェが一軒、後者は建設中の自衛隊基地しか存在しない島であるため除外。依田家はカフェは営んでいませんし、ましてや軍人ではありません。
出水市の桂島も本土から約2キロの距離と、本土の経済に触れていないと考えるのは難しいのでここでは候補から外したいと思います。
実家からの推察
依田家の実家が、祈祷といっても一体どのような宗教観に基づいた祈祷を行っているのか、もちろんそんなことアイドルゲームには関係ないので言及されていません。ですが普段の和装ややや古風な言い回しから皆さんも感じている通り、この国に古来から根付いているものであることは間違いないといっていいでしょう。
現在の鹿児島県は、文化圏で見たときに大まかに二分することができます。琉球王国の支配下にはいっていた奄美群島とそれ以外です。奄美群島のすぐ北に位置するトカラ列島では琉球と本土の信仰双方の影響を受けた独特な文化があったり(悪石島のボゼ祭りなど)しますが、奄美以北と以南では大きく文化や歴史が異なります。ここで依田という姓の歴史についてみてみたいのですが、この姓、始まりは鹿児島でもなんでもなく信州長野は小県郡の依田という場所なんですね。ここでまさかの長野県の登場です。
末裔のアイデンティティに大きな影響を及ぼすほどに、祈祷のようなスピリチュアリズムが根付いているということを加味すると、ルーツは本州で、はるか昔から続く祈祷師の血筋がわけあって鹿児島の離島に来た、こんな感じでしょうか。彼女の故郷は古くから本州方面とのかかわりが深い地域ということで、奄美群島に属する与路島は除外です。あと与路島は奄美大島に隣接しているので多分コンビニ見てます。
セリフからの推察
現時点での候補はこんな感じ。
・黒島(194人)、三島村
・諏訪之瀬島(78人)、十島村
・平島(107人)、十島村
・小宝島(69人)、十島村
やっぱりドがつく秘境が残りました。少しでも島に詳しい方なら、ここに有る十島村と三島村がどれほどの秘境かというのはご存じでしょう。空港は存在せず、定期船も週に二便だけ。島でお金を使う場所は数か所の自販機と郵便局くらい、そんな島々です。
ではここで彼女自身の発言からいくつか、気になるものを抜粋してみましょう。デレステ(アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ)のSSRカードである「夏の渚乙女」の固有セリフにて、以下のようなものがあります。
「海といえば修行か身を清める場でしたが…今日は思い切り遊びましょうー。ただ、ばばさまを近くに感じる鹿児島の海とあっては、遊びといえど、手は抜けません。いざ…いくのでしてー」
「ここは時期限定の砂浜。…限定と聞くと、何やらお得感が増しますねー」
「故郷の島でなくとも、鹿児島に錦を飾れたことを、嬉しく思いますー」
「故郷へ寄ってみますかー?東京へ帰るよりは、早く着くのではないかとー」
どうやら故郷鹿児島の海に来ているようですが、ここから分かることがいくつかありますね。まずは鹿児島の島に来ているがここは自身の生まれた島ではないこと、ここから生まれた島までは東京よりも早く着きそうだということ、そしてこの島には時期限定の砂浜があること。
鹿児島の離島で期間限定の砂浜といえば、与論島の百合が浜が非常に有名です。潮流や潮の満ち引きの関係で、春から初秋にかけての半年間の限られた日にしか海面上に姿を見せない、まさに幻の砂浜です。というわけで、与論島から東京よりも早く着く島を選べばいいわけです。だいぶ答えが近づいてきましたね。出発時間はまあ、カードのイラストでは太陽はかなり高い位置にあるように見えるので正午ということにしておきましょう。
〈黒島〉
15:10与論空港発→(JAL3824便)→16:40鹿児島空港→(南国交通バス)→17:38鹿児島中央駅→(市電移動・鹿児島市内泊)
翌日9:30鹿児島本港発→(村営フェリーみしま)→15:05黒島着
所要時間23時間55分
〈諏訪之瀬島・平島・小宝島〉
15:10与論空港発→(JAL3824便)→16:40鹿児島空港→(南国交通バス)→17:38鹿児島中央駅→(市電)→23:00鹿児島本港発→(村営フェリーとしま2)→
→翌7:20諏訪之瀬島着→8:20平島着→10:45小宝島着
所要時間16時間10分(諏訪之瀬島)、17時間10分(平島)、19時間35分(小宝島)
〈東京〉
12:30与論空港発→(JAL3866便)→13:10那覇空港→(JAL912便)→16:25羽田空港着
所要時間3時間55分
よしのんの出身地、ありませんでした。あまりにも東京が近すぎました。やはり飛行機って偉大ですね。ほんと、鹿児島県って広いんですよ。同じ県内なのに移動に一日かかる場所が平気であるんです。しかも十島村や三島村に向かう船は毎日運航しているわけではないので、上記の乗り換えはあくまで最短のもの。場合によっては鹿児島市内で何日も待たないといけないなんてこともあります。
ちなみに、上記の那覇行きJAL3866便で13時10分に那覇空港に着いた後、JAL3867便に乗り継ぐことで14時50分に奄美に到着できます。また与論島には船も寄港しており、与論港を12時10分に出航するマルエーフェリーに乗船すれば、沖永良部島の和泊港に14時10分に着くことができます。その次の徳之島には16時30分の到着なので、5分差で東京行きの飛行機に負けてしまいます。このカードのセリフを根拠とするならば奄美大島か沖永良部島、より規模の小さいほうと考えてまあ沖永良部島でしょうかね。
というわけで依田芳乃の出身地推察は「三島村やトカラ列島(十島村)に限りなく近い環境で、沖永良部島あたりに存在している謎の秘島」であるという結論にしておこうと思います。皆さん、どうもすみませんでした。
おまけ
最後まで絞り込まれた4つの孤島のうちの一つ、諏訪之瀬島に行ってきた話など離島に関する様々な記事や漫画を寄せ集めた同人誌「島方見聞録」を作っています。即売会に既刊として持っていくほか、ネット販売も計画しているので、気になった方はこのサイトの「作品」ページや最新のお知らせをご覧ください。
私の訪れた諏訪之瀬島の神社はほんとうによしのんが立っていてもおかしくないくらいの、厳かで静かな空間でした。諏訪之瀬島出身だってことにしておいたほうがいろいろ丸いですかね?